爆弾のつくり方とか,毒物のつくり方とかはいつもネットワーク上の人気コンテンツだ。でもそれは情報の流通じゃない。こことあそこの断絶と,弾劾,だ。
核爆弾をつくるのは簡単だ。必要となるプルトニウムや濃縮ウランの保管場所は世界中にあり,その所在地を確認する「核物質の不法移動,盗難および所在不明の放射性物質に関するデータベース」がネットワーク上につくられている。行方不明になっている高濃縮ウランもあり,このデータベースが有用と思われる。
世界中の警察が持っている危険人物のデータベースがネットワーク上に存在したとしても,なにか状況がかわることはあまりない。リアルの悪人とワイヤードの悪人はえてして同じじゃない。リアルにあるリアルを破壊する物質もワイヤードを破壊することはできない。
ワイヤードはリアルの情報を補完する場所ではなく,リアルのための代替スペースでもない。リアルの法律も倫理も役に立たないし,役に立たせようとすると,TVドラマの犯罪人に手錠をかけるような,お門違いな行動にしかみえない。ここと,あそこは違う。あした,ここと,あそこと,人間にとってどっちがふさわしい,か?
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